第22回  [NEW!!]
2017.02.20 UP

ガンホーとグラスホッパーがタッグを組んだ意欲作。
"ゲーマーのゲーマーによるゲーマーのためのゲーム"その中身とは?

LET IT DIE

『LET IT DIE』(所要時間28分)

パンイチで塔の頂点(てっぺん)を目指すサバイバルアクションゲーム!
前例がないことに挑戦し続けた、ガンホー×グラスホッパー衝撃の意欲作。
開発スタッフが、開発中の苦労話や今後の展望を語ります。


アクションを駆使しながら、塔の頂点(てっぺん)を目指していくゲーム

kazukiku_LID.jpg

 

森下 :
『LET IT DIE』ってなんなんだ、と。
名前だけ聞くと「ちょっとヤバイゲームなんじゃないか」と思う人もいるかもしれないんですが、新さんからどういうゲームなのか説明してもらえますか?
新 :
確かにヤバイゲームであることに間違いはないです。
ゲームの世界は「バルブの塔」という塔なのですが、プレイヤーはアクションを駆使しながら、塔の頂点(てっぺん)を目指していくというゲームなんです。ゲームスタート時は、自分のキャラクターは"パンイチ"で出てきます。
森下 : "パンイチ"っていうのはパンツ一丁?
新 :
パンツ一丁です。何にも持っていない状態から始まるんです。
最初は武器も何も持っていないのでパンチで攻撃するしかないんですけど、戦っていく中で敵が落としたアイテムを自分で使うことができます。現地調達したアイテムを駆使しながら、頂点(てっぺん)を目指していくことになります。
ただ、そんなに簡単に頂点(てっぺん)に行けるゲームではないので、一番下の階に「待合室(拠点)」があるんですが、少し進んだら「待合室(拠点)」に戻って、また頂点(てっぺん)を目指して、ということを繰り返していく中で段々と自分を成長させていくということが一つのサイクルになっています。
森下 : それ以外にもオンラインゲームならではのフィーチャーとして、他のプレイヤーと戦うPvP(プレイヤー・バーサス・プレイヤー)がもう一つのサイクルとしてある。先ほど話にあった塔をのぼる部分と合わせて両軸を一緒に遊んでもらう形ですね。
新 : ゲーム自体がオフラインモード、オンラインモードみたいな形で別れているわけではなく、塔にのぼっているうちに他のプレイヤーが作ったキャラクターが敵として出てきたり、他のキャラクターが自分の待合室(拠点)を攻めにきたり、シームレスに塔でのプレイとPvPが繋がっている形になっています。
森下 : そのおかげで予測不能なゲームになってるよね。
新 : そうですね。
森下 :
予測不能で、かつ、ある程度の攻略方法があっても、攻略方法が毎回異なるので、そういった意味では長く遊べるゲームになっています。
いや、とんでもないゲームを作りましたね。
新 : もう怖いです。
森下 : 自分でやっててもかなりヤバイゲームです。
石川 : 慣れているプレイヤーも普通に死にますからね。緊張感ハンパないですね。
森下 : 俺が自分でプレイしても、大体1プレイあたりで死ななかったことが一度もないね。
石川 : あはははは。分かる。
新 :
予測不能という点も1つなんですけど、大体古いタイプのアクションゲームってレベルデザインされていて、ここにはこういう敵が出てくるとかランダム要素があっても、限られた中のランダムだったりするんです。
このゲームは本当に塔の中もどんどん変わっていきますし、のぼる度にちょっと違う、日によって違う形になっている、みたいな。まるで生きているかのような塔をのぼっていくので・・・
森下 : マップが覚えられないからね。
新 : 全く覚えられないですね。
森下 : 見たことあるぞって思ったら違ったり・・・
新: そうですね。
森下 : というゲームでございます。

開発中は特に、色々な方に「前例がない」と言われました

森下 :
北米と欧州での配信が2016年12月3日に先にスタートしてまして、北米と欧州では配信開始から26日で100万DLを突破しています。
結果的に配信が遅れてしまいましたけど、日本、アジア地域でもようやく配信ということですね。
新 : そうですね。
森下 : アジアでも発売されるということで、どうですか心境は?
新 : 元々、世界中にこの問題作を届けようと思っているんで。意外とアジア展開って難しかったりするじゃないですか。そこにもこの問題作をズドンと!
森下 : どうですか、晃は。
山岡 : ぶっちゃけ僕ら、オンラインゲームを作るのが初めてで、ゴールのないゲームというんですかね。これはある意味クリエイターとしてのチャレンジだったんですが、その作品が世界中に出てどんな風になるんだろう、というのが自分も楽しみですよね。
森下 :
そうですよね。
特に今回『LET IT DIE』は日本のメジャーからインディーズを含めた100バンドに「レットイットダイ」っていう曲名で楽曲を入れてもらっていると。
もうこのゲームの中だけで100曲入ってますからね。
石川 : 普通のアルバムが10枚分くらいの曲数ですね。
森下 : ゲームは当然全世界に行くわけですけど、同時に収録されている100曲も全世界に行くわけですよね。
山岡 : そうですね。
森下 : どうですかね、いっしー。
石川 : グローバルっていうのはガンホーでもなかなかやれていなかったことなんですが、自分たちのゲームが世界の色んな人種、色んな条件の生活をしている人たちの中にどう受け入れられるかっていうのはすごく楽しみですね。
森下 :
そうですね。PlayStation®4のタイトルとしては実は初めての作品で、しかもグローバル先行っていうのも初のチャレンジとなります。さらにPlayStation®4でfree-to-playのゲームってまだ少ないんですね。
ですので、実はかなり全てがチャレンジング。
石川 :
そうですね。全部チャレンジですね。(笑)
開発中は特に、結構色々な方々のところで「前例がない」とよく言われましたからね。

本当にゼロから1を作るみたいな繰り返し、積み重ね

森下 :
実際開発していく中で最も印象に残っている話をそれぞれ聞きたいんですが。何か思い出話でもいいですよ。
『LET IT DIE』を開発している最中に、この出来事が自分の中ですごい思い出深いなって、何かありますかね。
新 :
少し広い話になっちゃうんですが、チャレンジングって話があったじゃないですか。自分もゲーム開発に長く携わっているんですけど、こういった形のゲームって作っている側からしても無いんですよ。しかもfree-to-playの作品で家庭用ゲームのパッケージ版に負けないくらいのクオリティで、負けないというか、多分ボリューム的には余裕で勝っている内容で作っているので。
ゲームデザインをしていく中で、無いものを、本当ゼロから1を作るみたいな繰り返し、積み重ね。そこが自分のゲーム開発の歴史の中でも初の試みだったので、これは自分の人生の中でもすごく濃い期間だなって思いますね。
森下 :
濃密だね。
どうですかね、晃は。
山岡 :
そうですね、先ほど森下さんが言っていたチャレンジ、やったことないことって比較的多くの人に無視されちゃうというかね。そこをちゃんと多くの人に理解されるようにとのことでやってきました。例えば、今回サウンドの面では先ほどお話したように100バンドが参加しているんですが、ゲーム音楽でそんなことやったことないだろうなって。
100バンド以上参加頂いているんですけど、実際にお会いしたバンドは500バンド以上なんですね。毎日営業さんみたいな感じで、高円寺に行ったり渋谷に行ったりして。
石川 : 行脚だね、行脚。
山岡 : 「『LET IT DIE』というゲームを作っている者なんですけど・・・」「オリジナル曲を書いてください」ってお伝えすると、「何言ってんだテメー」みたいに言われることもありましたし・・・
森下 : そんなことありました?
山岡 :
いっぱいありました。(笑)「ふざけんなよ!」とか言われてね。500バンドもあればそういうこともあるんですよ。
その中で今回100バンドにご参加頂いてね、そういった思い入れもリリースした時に「あぁ、なんか良かったなぁ」って。この後こういうことをやれたらいいなっていうのもちょっと思ってますよね。
森下 : でもそのうちね、さっきの「ふざけんなよ」とか「帰れ」と言ってたバンドも、もしかしたらね。
山岡 :
そういう風になってくるといいなって。
逆にね音楽の方から「あ、ガンホーの『LET IT DIE』、ガンホーのゲームとなんかやりたいな」って思ってもらえたら勝ったかなって。
新 : (笑)
山岡 : なんかチャレンジして勝ったかな、っていう風には思いますよね。
石川 : そういうことって大事ですよね。
森下 :
少なくともアメリカ、ヨーロッパで100万DLってことは100万人の人たちに曲を聴いてもらえるわけですからね。なかなか100万人に自分の曲を聴いてもらうって難しいですよね。
そういう意味では、僕たちはレコードを売っているわけではないんだけど、バンドと共に日本のクリエイターとして世界に向けて発信できるというね。最高じゃないですかね。
山岡 :
ゲームの音楽を変えていきたいなという。
森下さんと同じように、何か自分なりにチャレンジしていこうって思います。
森下 : 石川はどうですか?
石川 :
一番思い出すのは、夜に森下さんの部屋で会議をしていた時に、「出ねぇな」って、みんなで上見ながら10分くらい過ぎるっていう。
色々決めていく中で、本当にみんな、スタッフも含めて真剣に悩んで。全てを逆張りして周りから「大丈夫か?」って言われるけど「大丈夫っす」っていうのを繰り返す、そういうことを積み重ねてきたのが『LET IT DIE』でしたね。
森下 : 本当にね。
石川 : 悩みましたね。
森下 : なんか頭が引きちぎれそうな、痛みだったね。
石川 : みんなが"無"でいるっていうね。考えているけど、誰も言葉を発しない空間が普通に10分過ぎちゃうっていう。謎のね、あの感じはなかなか開発していても経験ないなっていう。本当にとても考えたなっていうタイトルですね。

"ゲーマーのゲーマーによるゲーマーのためのゲーム"

森下 :
ほとんどどのゲームで開発は確実に苦労するんですけど、まぁ産む苦しみですね。ただ、今回リリースした後にどこの国の人なのかは分からないですけど、英語で「こんな素晴らしいゲームを作ってくれてありがとう」って言われたんだよね。日本人って奥ゆかしいのかな、照れ屋さんなのかもしれないんですけど、あんまり面と向かって言わないじゃない。やっぱりスタンディングオベーション文化というか、それを言われた時になんか久々に作ってて良かったなって。
「面白いです」とか、「すごい楽しんでます」とは言われるのよ。「こんな素晴らしいゲームを作ってくれてありがとう」ってなかなかちょっと言われない。
石川 : 結構堂々とコメントくださったりとか、なんか素直にコメントが飛んできますよね。
森下 :
素直なコメントすぎてね、なんていい人達なんだろう!と。世界中にはこんなにいい人たちが溢れているんじゃないか、って思いましたね。
これ開発秘話じゃないね。(笑)
日本のユーザーからはですね、「なんで自国が後なんだ」と言われたんですけど、大人の都合と言うのが色々ありましてね・・・。少し遅れてしまいましたが、世界で先にリリースすることによって色んなチューニングが施されているので。ある意味ブラッシュアップされた形で2017年2月2日にリリースされて、しかもパッケージ版が2017年3月9日に発売されると。「アンクルプライム エディション」といって超お得なパックになってます。
ぜひ遊んで頂きたいんですが、特に「ちょっとここは注目して見てほしいな」とか、「こだわっています」みたいなところはありますか。
新 : 大枠で言うと、アクションでハクスラでローグライクでって、もちろんやってもらえればすぐ分かると思いますし、ハマって頂けたらすごく有難いなって思うんですけど、ゲームの節々とか細かいポイントとかに結構こだわり込めて作っているので、そういう所をほじくりながら新しい発見をしてもらえたら嬉しいなって思いますね。
山岡 : 音って世界観を作って、遊びをバリューアップさせるという役割があるんですけど、やはり飽きないっていうところと、『LET IT DIE』ならではの音作りっていうのが効果音を含めて表現出来ているのかなとは思いますよね。
石川 :
僕はせっかくプレイしてくれた方には、全部の武器のアクションを試してもらいたいですね。
ちょっとプロデューサーとしては採算度外視なところがあるので。「やりすぎだろ!」っていう、「ふざけんなよ!」ってところまでやっちゃってるので。
森下 : そうだよねぇ。
石川 : もう武器ごとに操作も違ったりだとか、本当に武器ごとの面白さがあるので。ぜひそこは遊んでほしいですね。
森下 : このゲームはですね、装備を全部自分でカスタム出来るんですけど、6億通りあるんですよね。アップデートをしていくから、また増えていくんですよね。
石川 : 掛け算だから、エライことになりますよ。
森下 : このゲームはとにかく問題作を作ろうというテーマ性と、ローグ、ハクスラ、アクションに対するこだわりが込められていて、とにかくスルメのような、もうずーっと噛んでいられる・・・
新 : ずーっと味が出る。
森下 :
そうなんですよ。だから本当に「私はゲーマーです!」という人はですね、ぜひ遊んで頂きたい。
ゲーマーの、が、ゲーマーによる・・・なんだ?(笑)
新 : しっかりしろよ!!(笑)
石川 : "ゲーマーのゲーマーによるゲーマーのためのゲーム!"
森下 :
です!
だからね、本当にゲームしない人には絶対遊ばないでほしい!
ゲームが好きじゃない人とか、自分がゲーマーじゃないという人には遊んで欲しくないんですよね。それくらいゲームに対する色んなものが詰まっているというか凝縮されたゲームなので、ゲーマーだと思う人はぜひ遊んでもらいたいし、「これからゲーマーになりまーす」という人は、これが1つの教本になりますね。「これぞ、"ザ・ゲーム"です!」と。
そういうゲームでございますので、ぜひ・・・実際はゲームやっていない人もぜひ遊んでもらいたい!(笑)
石川 : 一応女性もちゃんと出来ますので。アクションゲームですけど。
森下 :
こういうゲームなので女性はできないと思うかもしれないですけど、意外と女性でも出来るので。ぜひ遊んで頂きたいゲームでございます。
最後になりますけれども、もう既に遊んでいるユーザーさんだったり、これからちょっと遊ぼうかなと思っている人にメッセージがあれば。
新 :
多分これ見ている方は日本の方が多いと思うので、2月2日の通常版、もしくは3月9日のパッケージ版を手に入れてもらえたら、このゲームを通して世界に繋がるようになっているので。
今先行して北米、ヨーロッパのユーザーさん達がゴリゴリ遊んでいるところにこれから日本人が入ってくる、アジアも入ってくるんですけど、ぜひ"大和魂"を燃やして世界とバチバチ戦っていきたいなと思うので、やってね!
森下 :
やさしいね。
「やれよ!」じゃないんだ。
新 : やれよ、コノヤロー!!(笑)
一同 : あははははは。
山岡 :
数千円出してパッケージで買うゲームじゃなくて、本当に手軽にダウンロードして遊べて、やってみたらすっごく楽しい、本当に奥が深いゲームを僕らも頭をひねって知恵熱出して作りました。
音楽も含めてなんですけど、先ほど言ったようにゲーマーの人は本当にぜひ遊んでもらいたい。これから遊ばれる方の中には、ひょっとするとバンドに興味を持って「どんな音楽が入ってるのかな?」と思って遊ぶ方もいるかもしれない。とにかく遊んでもらえればハマれるゲームだと思うので、ぜひ遊んでください。
森下 : "ザ・ゲーム"ですからね。
山岡 : "ザ・ゲーム"です!
石川 : グラスホッパー(・マニファクチュア)のここにいる以外のスタッフとガンホーのスタッフ、あとゲームアーツのスタッフ、本当総力戦でみんなで知恵熱出しながら作って、アクションゲームってなんだろう、ローグってなんだろうって言いながら、スルメのようなゲームが出来上がりました。本当にダウンロードして触ってみてくれたら、確実にハマってくれるかなと思いますので。ぜひ触ってみてください!

 

INDEX
PAGE TOP